ブログ一発目が、亡くなった人の報告なんて、、、。まーこれもタイミングなんですかね。知り合ったのは開店直前ぐらいだったと思うので１５年ぐらい前か。その頃は、小さな得体の知れない野外パーティーがちょこちょこやってた時期で、店の開店準備スタッフと〈大滝ランド〉というこれまた謎な場所に遊びにいくことになった。その行きの車に便乗させてもらったのが、今回の主人公？ケンさんなのだ。その頃は、よく知らない人の車に乗せられよく知らない野外パーティーに行ったもんだなぁ〜。暗い夜道を抜けるとそこには、どっから集まって来たのかこれまた得体の知れない遊び人達が、思い思いにハジけている巨大野外フェス勃発以前の新鮮な、まだ形作られていないムーブメントにウキウキしながら足を運んでいた。そんな場所への行きの車では、パーティーへの期待と気分を高めるのに大概ダンスミュージックがかかっているのだが、そんなこと何も知らなかったオレっちは、ポンチャックをかけてもらったりやりたい放題。（いまじゃそんな無茶なことは言いませんがね。）運転していたケンさんに車酔いするからやめてくれ！なんて直ぐに却下されましたがね。そんなこんなで到着したパーティー会場真っ暗で何も見えなかったのだが、空が明るんでくるとただの野原であることに気づく。そーこーしているうちに原始的パーティーピーポーは、川で釣りをし始めたり、朝飯仕込み出したり、なんだかパーティーというより夜通し遊ぶ遠足みたいな気分になってきていた。しかもパーティー終了してからが凄かった！恒例だというその場所の持主のオヤジのリクエストタイムだ。今までバキバキのトランスが永遠かかっていたのに、しばしの音止めの後にフルボリュームで流れてきたのは、なんと民謡だった！しかもオヤジ、ちょっとさっきまで若者達が踊っていた場所でトラクター乗り回している！ケンさん達と寝転がって見たその光景は、一生忘れられないメモリアル瞬間。そんなオモシロイ光景や場所を探してケンさんは、インドやタイなど東南アジアへの旅行も繰り返していたようで、その体験談がとにかくオモシロかった。亀を怒るインドのオヤジを始め、安宿で出会った様々なバックパッカー＆地元民の話しなど書き出したら切りがない。持ち帰って来るおミヤゲ品にもやられたな〜。インドのゴカルン？ゴカルナ？から持ち帰って来た小冊子に雷に打たれた様になった。最初は、お祭りの山車の写真なのだが、ページをめくっていくと黒い石の写真にズキューン！フォルムは、まるで黒い布をかぶされたマリア様像のようだ。地元民は、毎日その石の周りに花を飾り拝んでいるらしい。そして次のページのアナログ盤の神様？みたいなのにズババーーーン！手持ちのまな板みたいなのに（石なんですが）なんか真ん中にレコードみたいなものが見える！しかも、そのレコードみたいなのにキズが付いていてそれに名前があると言う！「プリア」だったかな？そんな名前が、キズに付いているのだ！なんだか体が痺れてしまった。次のページには、自称インド・パワー発祥のポイントやら、ノスタルジックな色調の太陽の写真。２コマ・マンガ？などの意味不明な連続に、こちとらクラクラである。そんなこんなの衝撃アハ体験（ナハ！？）を紹介してくれたケンさん。そのうちケンさんの作るT-シャツを、店で取り扱う様になった。最初は、民族テキスタイルをモチーフにしたヤツや、得意のパンクなメッセージT-シャツだった。そして晩年は、白血病にもかかわらずタバコを吸ったり、病院脱走したりしながら更に過激なT-シャツをこさえていた。（レナード・コーエンの「地球には、知的生命体なんていない、、、」なんていう歌詞をプリントしたヤツとかね）そのなかでもオラのお気に入りは、〈STRONG ECSTACY　LOVE LOVE CLUB〉だ。ただその文字だけがシルク刷りされたドシンプルなメッセージは、今でもお気に入りのフレーズだ。一人の衝撃をもらった表現者の生き様をとぎれとぎれではあるが、見届けた充足がある死との対面というのは初めてだ。この世から居なくなったのは、もちろん淋しい。しかしやりたい事をやりと通した清さを残す死であることにはマチガイが無い。信念を曲げず、貫き通す人生ってやっぱ素晴らしいもんですね。お疲れさまでした。合掌。ケンさん、先に行ったあいつらとはもう合いましたか！？そんなことがフト過った今朝でした。

ps.もしコレを見たINNER PLANET＝ケンさんのお知り合いの方で、写真（慰霊用。サングラスかけてたり、寝転がってる写真とかしか見つかっていないようなので）をお持ちの方は、24日火曜日までにinfo@losapson.netまでご連絡くださいませ。よろしくお願い致します。